社畜が社畜である理由――収入の100%を会社に依存する怖ろしさ

生き方・人生について

収入とはつまり、お金である。
お金とはつまり、生活の糧である。

その収入源を100%会社に頼っている状態というのは、いわば命綱を他者に握られている状態に等しい。生かすも殺すも会社次第だ。

――だからそこで、立場上の優劣が発生してしまう。あなたは自分の命綱を自分で握っていないから、会社様のゴキゲンを取って切り捨てられないようにしなければならない。

 

「サラリーマンなら上司がいるから、立場上の優劣はふつうに発生しうるものじゃないの?」と思われるかもしれない。だがそれはあくまで仕事における指揮系統だけのことだ。理不尽な要求には本来応える必要はないし、ましてや残業代の未払いなんてあっていいはずがない。

その残業そのものだって、定時から定時まで働くのがあなたと会社との雇用契約だから、断ることができるのだ。
※実は、労働基準法では原則として残業を認めていない。36協定を終結することで始めて、例外的に残業の命令が可能になる。もちろんその36協定においても、法的に明確な取り決めがされており無茶な要求はできない。

 

もっと正確に言えば、雇用契約外の仕事をあなたに頼むのだから、むしろ会社があなたにお願いをするのが本来のあり方である。
(残業は本来、会社側が従業員に”お願い”してやってもらうもの。)

……ところがどうだ。命綱を握られている状態だと、お願いする立場が逆転するどころかなぜかさもあたりまえのように”強要”されてしまう現実が確かに存在する。遠いどこかの国のことじゃない、日本の多くの会社のことだ。

 

雇用契約というのは、双方に対等なものである。あなたは会社に、契約と法律に則った労働力を提供する。会社はあなたに、その労働力に対する賃金を契約と法律に則って支払いをする。そこに立場上の優劣は存在しない。

しかしながら現実、ほとんどの場合でそうなっていない。なぜならばそう、同じくほとんどの人が収入の100%を会社に依存してしまっているからである。

会社で言うならばこれは、売り上げの100%をある一社だけで賄っているような状態だ。もしもそこから取引を切られればとたんに売り上げ0の倒産必死状態だから、再三にわたる無茶な値下げ要求にもむげにできない。それどころか賃金の不払いすらもある。

 

だから社畜は、社畜であるのだ。

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会社に生活の命綱を握られないために

……さて、ご自身のおかれた状況が如何にまずいものであるか、おわかりいただけただろうか。

この状態を抜け出すには、最低でも収入の3割は会社とは別の場所から得る必要がある。それかもしくは、最低限の生活ができるだけの収入もしくは貯金があるか、だ。

最低限の生活レベルにも満たず、また収入の3割にも満たない(仮にここでは5万円の副収入としよう)場合はまだほんのお小遣い程度にしかなっていないため、残念ながら命綱は会社に握られ続けたままである。金額にして、できれば月に10万円はほしいところだ。

 

しかしながら、個人事業主ならば月に10万円を稼ぐのはそれほど難しくはないが、日中フルタイムで労働しているサラリーマンが同じ金額を稼ごうと思ったら、時間的な制約があってかなり難しいだろう。3~5万円のお小遣いくらいの金額が副業リーマンのよくあるパターンだ。

さて、ここで一つ大事なポイントだ。

不思議なことに、月に10万円を稼げる副業を一つ持つのはかなりの至難であるが、その一方で月に3万円稼げる副業を三つ持つのは、実はそれほど難しくないのである。金額にして合計1万円しか変わらないにも関わらず、だ。

 

仕事でも似たような経験をしたことはないだろうか。

難しい案件は一つでも当然難しく、簡単な案件は3つになろうが依然として簡単なままであることをこれがじゃあ「100やれ」と言われればまた話しは違ってくるが、3つくらいじゃ難易度に影響はまずでない。

だから、月に10万円の副収入を得ようと思ったなら、一発で大きく当てようとするよりもショートゴロを数発打つのを狙う方がいいだろう。また、そのように分散させた方がリスク軽減にもなる。

収入の100%を会社に頼るのがリスクなように、副収入だってできればいくつもの収益ルートを確保しておいた方が好ましいのだ。

人生のリスクヘッジを、しておきませんか?

いかがだろうか。

残念なことに、昨今の労働市場は終身雇用がなくなって久しい。それどころか、大卒者が定年まで働く期間よりも企業の寿命の方が短くなっている。

今の時代、誰でも一度は失業経験をするのがふつうなのだ。20代、30代ならば何の準備もしていなくてもまあ次の職は見つかるだろう。ほとんどの場合で大変苦労すると思うし、自ら進んで行った転職でなければ今より待遇は下がると思うがね。

 

その一方で、生きるために必要なコストが下がってきたため、あまり根を詰めて働かなくても生活できるようになったのも確かである。
(参考記事:『生きていくのにお金が必要ない時代へ。下がりゆく生活費用・コスト』)

社畜にならないためのリスクヘッジにしろ、将来「働きたくない(特にサラリーマンとして組織の中で)」ための事前施策にしろ、雇用先とは別の手段での収益ルートはぜひとも確保しておきたい。結局は最後、自分のためであるのだから。


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