会社を辞めることは、裏切りでもなんでもない

ブラック企業・中小企業・低学歴

――おまえ、会社を裏切るつもりか?
――今まで教えてやった恩を仇で返しやがって!
――今まで君にいくら投資してるかわかってんの?

……とは、ブラック企業に勉めている人間が会社を辞める際によく言われる代表的な台詞である。

はっきり言おう。もしもこのような台詞を言われた場合、あなたが退職に踏み切ったその判断は正解である。なぜならば、その会社はあなたを「働かせてやってる」と思っていて、上司はあなたに「教えてやってる」と考えているからだ。

 

会社側はなぜだか上から目線だが、よく考えてみよう。

もしも本当に慈悲で働かせてやってるのなら、あなたがいなくなっても会社は困らない。

むしろその方がうれしいはずだ。

にもかかわらず、このような苦言をなぜするかと言えば、会社はあなたという(安く使える)労働力がいなくなったら困るからだ。

だから、文句はいえど給料は上げない。低賃金のままこれまで通り奴隷をやってろ、でなくば死ねというのが発言の真意である。

 

一方で、会社側が「給料上げるから残らないか」と提案してきた場合も油断してはいけない。

なぜならば、その会社はあなたが退職すると言い出さなければそのままずっと安い賃金で使おうとしていたからだ。残ったところで、給料が上がるのはそれっきりであることは容易に想像できるだろう。

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退職することが裏切りではない理由

1.あなたの与えている利益の方が多い

先に申し上げたとおり、会社側が文句を言ってくるのは、あなたがいなくなると損をするからである。

つまるところ、あなたが会社から得ている恩恵よりも、あなたが会社に与えている利益の方がずっと多いのである。

もしもこれが逆だったら、「おまえなんてさっさと辞めちまえ!」となるだろう。赤字社員をわざわざ抱えておきたい理由があるか?

そう、会社は安く使える都合の良い奴隷がシャバに出ることを「裏切り」と呼んでいるだけで、実態はまるでそうではないのだ。

2.教えるのも仕事のうち

加えて、会社ではなく上司が「今まで教えてやった恩を仇で返しやがって」と言うのもまた適切ではない。

なぜならば上司が部下に仕事を教えることはそれが上司としての役目であるため、すなわちそれは上司にとっての仕事であるためだ。

だからその分の対価は会社から給料として支払われているはずだし、仮に支払われてなかったとしてもその責任の矛先を部下に向けるのは間違いだ。給料や残業代を払っていない会社に向けて文句を言うべきである。

3.人手不足は経営者のせい

「今、人手足りてないのわかってるでしょ? そんな時期に辞めるなんて……」などの台詞もよく聞くが、それをどうにかするのは経営者や人事の仕事であるし、その責任を負うのもまたそいつらである。

むしろ人手が足りないのが周知の状態であるのならば、人を雇える立場にある者が早々に手を打つべきであっただろう。

それを怠っていたから一人あたりの仕事量が増え、連鎖的な退職者の発生や慢性的な人手不足状態に至ったのでは?

 

また、本来の責任は主に経営者にあるのに、退職者に文句を垂れるあたりその会社には責任転嫁の社風もあるだろう。

おそらく上に行くほど責任を取らず、下っ端になるにつれ責任が重くなる類いのしょうもない会社であることは想像に難くない。

4.そもそもで言うと「退職」は裏切りなのか?

雇用主(会社)と、被雇用者(従業員)の関係は雇用契約上の関係に過ぎない。法に則った契約解消の手続きを執っていれば、そこになんの言われもなくばペナルティもない。

よって、当たり前のことであるが「退職」という行為は別に犯罪でもないし倫理に反するような事柄でもない。

真っ当な人間の感覚として、転職者や退職者に対し敵意を向けるようであればそいつの方がおかしいと言えるだろう。

そして、そんなおかしな人間で占められた組織(会社)もだいぶ腐っているだろうことは自明の理なので、あなたが退職を願い出たのは誤った行為では決してない。安心していい。

もしも裏切りだと感じていたのなら? それぞれが気をつけるべきこと

あなたが退職者ではなく、会社に残留する側だった場合。

そして、辞めていく人に少なからず良い感情を持っていなかった場合。はたしてなぜ、「裏切り」だと感じてしまうのか?

それを考えてみよう。

1.今までそういう人ばかりだったから

「――今までの経験上、辞めてく奴は実際に裏切り者ばかりだったぞ」

なるほどなるほど。それなら確かに、今回の退職者においても同じように捉えるのもむりはない。でも、じゃあなぜ今までそういう人ばかりだったのだろうか?

どんなに良い会社にも退職者は出るものであるが、優良企業ほど会社に恨みを持って辞める人が少ないし、不徳義を働く者も少ない。むしろ「会社の看板に頼らないで自分の実力を試したかったから」などの前向きな退職理由が増える。

 

優良企業でなくとも、最低限法律を守ったふつうの企業であればネガティブな退職理由はそうそうないはずだ。

ましてや裏切り者が当たり前な状態になんて、ブラック企業でもなければそうそう起こりえない。

そしてあなたの勤める会社が法律も守らないような企業であるのならば、退職者は裏切り者でもなんでもない。言い換えれば、犯罪者から逃げただけである。しかも退職者はこれまで実害を受けていた被害者だ。

2.責めるよりも定着させるような環境づくりに励むべきである

生産性を意識できている人ならば既に気づいていることであるが、「この裏切り者! ボケ! カス!」と責めたところで退職者は残留してはくれない。

つまり、責める行為は何の意味もないどころか却って敵を増やすだけである。余計な時間とエネルギーを使って敵を増やすだなんて、ちと賢い行為であるとは言いがたい。

それよりも、人が辞めていかない環境に変えていく努力をしている方がよっぽど有意義である。

まあ、それができないから人が辞めてくんだけどな(笑)。

3.「自分が居なきゃ会社がまわらない」ような会社からは、早々に抜け出すべきである

これもまたよく聞く台詞だ。

「自分がいなきゃ、会社がまわんねーんだよ!」という勘違い甚だしい台詞。言うまでもなく、この手の発言をする人の82%はただの思い上がりである。

そして、そんな替えのきかない超有能人材クンの年収がたいしたことないとなると、もう本気でお笑いである。

しかしながら、このような事態は意外とカスみたいな中小企業の方が起こりうる。

なぜならば、管理職の仕事の管理がずさんなせいで、たとえ重大な仕事であっても担当者個々人に任せっきりにしているためだ。

 

そうすると確かにお前がいなくなったら会社は痛手であるが、それは別にお前が有能だからではない。単に会社のレベルが低いからである。

そしてそういうレベルの低い会社にいてもスキルアップはできないので、もしあなたが本当に替えのきかない人材になりたいのであれば早く抜け出すべきである。

そうでないのならば、そのまま貴重な人材のハズなのにやっすい収入で使われる勘違いクンのままでいるといいだろう。でもおまえ陰で笑われてるぞ。

もしも、退職届を受け取り拒否されたら?

本来退職届の受け取り拒否はできないのだが、こういった行為を平気でしてくる悪徳企業が多々存在する。某大型掲示板を見ていても、そのような相談がかなりの数で寄せられていることがわかる。

このような場合には、「退職届」を内容証明便で会社宛に送付するのが手っ取り早い。

有給休暇が残っているのならば、せっかくなのでその申請も同時にしておくと良いだろう。真正面から喧嘩を売るようで気が引けるかも知れないが、まず退職届の受け取り拒否が違法であることを視野に入れよう。

違法行為を使って先に喧嘩を売ってきたのは向こうであるし、それに対するこちらの対抗手段は合法である。何も悪いことはしていないので、気に病む必要はない。

ちなみに、退職届を受け取り拒否するような会社はブラック度がかなり高いので、退職の前にその会社の行っている違法行為についての証拠を握っておくと良いだろう。交渉の材料にもなるし、それがあなたの“退職金”に変わってくれるのだから。

次こそは、失敗しない会社選びを

ゴミカス企業からは早々に抜け出すべきであるが、このとき注意したいのは次の就職先選びで同じようなゴミを引いてしまわないこと。

転職した先が同じようなゴミだったらまるで意味がない。

とはいえ、受ける企業がブラックかそうでないかを見分けるのはかなり難しいのもまた事実。それがわかりゃ誰も苦労はしない。

ただ、少なくとも目に見えるゴミは排除はできるだろう。

目に見えるゴミを排除するためには口コミを活用していく必要があるが、それには『10万件の企業口コミで失敗しない転職』を謳っているキャリコネを利用するといい。

まさしく謳っている通り10万を超える口コミが掲載してあるので、(ってかしてなきゃ詐欺だw)受ける前に口コミを見ていれば、余計な労力を使う前にそこで回避できる。

特にお金もかからないので、転職を考えている人はぜひとも登録しておきたい。

キャリコネ


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