大手企業で出世競争するのは厳しい。
……けど、中小企業ならレベル低いしライバルも少ないから、ラクに出世できるんじゃね?
と、考える方も少なくはない。しかしながら、たいていのケースでそれはうまくいかない。なぜならそれは、「低レベルな会社は低レベルな人間で組織が形成されてしまっているから」だ。
それじゃあ、低レベルな人間が組織を運営し、組織の仕組みを作っているといったいどうなるだろうかをご覧いただこう。
目次
中小企業というクソゲーの運営ルール
1.そもそも正しく人事評価ができない。
低レベルな会社にはまともな評価制度が存在しない。
昇進するためのルールそのものが最初からないか、あるいはあっても名目だけのお飾りか、もしくはルールがシステムとして破綻しているか、このいずれかである。
より具体的には、
「社長の気分によってボーナスや昇給額・昇進が決まる」
「上司に媚びを売った人間が上へ上がる」
「役員はすべて親族である」
「勤続年数が長いだけで昇進(=まともな人は辞めてるので自動的に)」
「時代錯誤で役立たずな糞ジジイが無駄に権力あって偉そう(=つまりそいつが上に上がれるシステムということ)」
「管理職なのに管理の仕事は任されず、ずっとプレイヤーとしての仕事を求められる」
「とにかくライバルを蹴落とした者勝ち」
「残業=偉い」
「休まない=偉い」
などである。
そう、そもそもまともに出世するための道がなかったり、あるいは舗装もされていないデコボコ道だったりで、まともに出世するためのルートが見えません。残念でした。
これが低レベルな会社の人事評価におけるルールであり、実に日本の会社の大多数がそうであるとも言えよう。
2.有能な人間はむしろ異分子として排除される。
こういった低レベルな会社で働く低レベルな人間にとって、有能な人間はぶっちゃけ「邪魔」なんです。
なぜなら、
「自分の昇進が危ぶまれる」
「自らの低レベルさが露呈する」
「そもそも有能な人間の考えを理解できない」
「新人のくせに制度や仕事にやり方に口出ししてきてなんか生意気でむかつく」
「大卒は糞。高校出て働いてる俺偉い」
から。
だから、悪質なイジメやパワハラ、あるいは責任のなすりつけ、同調圧力などによって有能な人間は排除されてしまうのだ。悲しいことに。
3.上司に新人を育てるスキルがない。
低レベルな人間はどこまでいっても低レベルです。それはプレイヤーとしてだけではなく、マネージャー(上司)としても同じこと。だめなやつは何をやってもだめ。
例としては、
「マニュアルの類いは存在しない。教えるからその場で覚えろ」
「コスト意識が皆無で、どうでもいい仕事に時間をかける。そしてそれを部下にやらせる」
「効率的な働き方をしたら、『ズルするな!』(例:マクロなど)」
「『わからないことがあったらきいて』と、教えることを放棄(初めての人間は自分が何をわからないのかすらわかりません)。」
「魔法の言葉『OJTだから、実践で覚えてね!』」
などが挙げられる。
よって、有能な新人もその能力を発揮することが困難な状況に陥る。どれだけ頭の良い人間でも、やったことのないことはわからないわけですから。
4.スキルがつかないため、秀才もそのうち凡人になる。
残念ながら、低レベルでしょぼい会社に大きな仕事は来ない。というかまず営業も無能なのでそもそも大きな契約は取れないし、取れたとしてもできない。
よって、ずっとレベルの低い仕事をする羽目になる。そしてそれでは経験値が稼げないため、新人の頃は有望な秀才クンであったとしても、その会社で3年も働けばもう大手企業でバリバリ責任のある仕事を任されている人間に大きく差を開けられている。それはたとえ、新人時代は自分の方が上であったとしても。
ちなみに、「とにかく機材に金をかけない」傾向もあるので、糞スペックなパソコンを使わされて人間の処理速度にパソコンの方が追いつかないというどうしようもない足かせがはめられることも。
凄腕エンジニアだって、ちょっと何かする度にパソコンにフリーズされちゃあ実力の半分も出せないでしょ? そんで、そんな働き方を何年もやってりゃたいした経験にもならないでしょうよ。
そうしていつしか優秀だった人間も凡人に成り果てるわけだ。……ほんとに優秀だったら、既に転職してると思うけど。
総論:
その会社で上に上がろうと思っても、まずその評価する側の人間やルールがまともに機能していなければどうしようもない。
どれだけ仕事ができても、「とにかく長い時間残業した奴が偉い」とか、「上司に媚び売った奴が評価される」システムだったら、仕事の出来はもうまるで関係なくなってしまうだろう。
そして低レベルな会社がなぜ低レベルなのかと言うと、そういったアホみたいなシステムに則って運営されているからである。単純に大手企業のシステムからスケールが小さくなっただけとは違うのだ。
(※もちろん、大手企業の中にも中小をそのままデカくしただけのハリボテカス企業があることも否定できない。ただ、その割合は中小よりも遙かに低いと言えよう)
このように、根本となるルールそのものが違うため、残念ながら中小だからその分簡単に出世できるとは限らないのである。