アニメも漫画もゲームも小説も音楽も、今や無料で楽しめる時代へ。

生き方・人生について

ちょうど先週、『生きていくのにお金が必要ない時代へ。下がりゆく生活費用・コスト』という記事を上げたが、今回はその姉妹記事である。
(最後にもう一回リンク貼るから、焦って今見に行かなくてもいいよ!)


今回テーマとして取り上げるのは、「生きる」ではなく「楽しむ」ことのコスト低下――いや。

娯楽の場合はもはやコスト低下などと生易しい言葉では済まない。一生を楽しむのに十分すぎるほどのコンテンツが、無料で提供されている。

特に若者に人気のコンテンツ――漫画、アニメ、ゲーム、音楽。そして、ブログ。

これらは、ほんの十数年前と比べて急激に無料で提供されるコンテンツが増えてきた。
さらに無料化の流れは勢いを止むことを知らず、これから先もどんどん加速してゆくだろう。

そうした時代の中で、僕らはどのように人生を楽しみ、そして何にお金を払うのか?

今回は、そんなおはなし。

ad

お金をかけずに楽しめる時代へ

お金をかけずに、楽しむこと。

一昔前までならばそこそこの難易度があり、またその選択肢も限られていた。
ところが今や逆に、選択しきれないほどの楽しみ方で溢れてしまっている。

もはやパソコン一つあれば、一生を楽しむのに十分な量のコンテンツが手にはいるだろう。

 

え? パソコンやインターネット環境にお金がかかっているじゃないかって?

確かにそうだ。だが、パソコンはすでに生活必需品とも呼べるほど普及しており、わざわざ何か一つの遊びをするために新しく買うようなものじゃない。

 

「すでにある」

今の日本の標準的な家庭において、これがふつうの状態である。

それでは次に、無料で手に入るコンテンツたちを見てみよう。

 

あふれかえる無料のコンテンツたち

音楽

少し前に「初音ミク」などのボーカロイドブームが到来した。

主に「ニコニコ動画」や「YouTube」といった動画投稿サイトにて、無数の音楽が無料のコンテンツとして投稿されるようになった。

無料といえどクオリティは決して低くなく、むしろその辺のアイドルグループやオシャレ感だけで売れている歌手のその残念な歌唱力を鑑みれば、よっぽどクオリティの高い仕上がりとなっている。

 

また、ブームとなるほどの人気も有しており、カラオケのよく歌われる曲ランキングで常に何曲かは上位に位置するほどである。

加えて有料で商業的に販売されている曲もこれまたYouTubeなどの動画投稿サイトに投稿されており、もはや無料と有料の境がほぼなくなってしまっている。
(著作権的にその投稿動画が合法であるかどうかは定かではない)

 

より良い音質を求めて」・「合法的に曲を入手しようと考えた場合でも、たった100円あればレンタルショップで借りられる環境となった。

そしてさらに、アマゾンプライムなどの定額音楽聴き放題サービスのようなものも出現し、今や音楽に対してお金を払うことは、如何様にでも回避できるような時代となったのだ。


一応貼っとく。

 

動画

動画投稿サイトによって音楽のコンテンツが増加したのは先に述べたとおりであるが、それはあくまで動画コンテンツが増えたことによる副産物にすぎない。(というか、「動画」投稿サイトだし……)

ユーチューバーといった職業(個人で動画を投稿し、その視聴者に対する広告収益で生計を立ててる人。及び職業のこと)まで新しくできるほど市場は拡大し、そしてそれ以上にコンテンツは溢れかえった。もちろん、基本的に無料である。

さらに若者に人気の動画コンテンツである「アニメ」、いわゆるアニメーションであるが、こちらももうふつうに働いていればその全部を見切れないほどの量が毎クール代わる代わる放送されている。

当然、視聴は無料だ。

漫画

漫画は無料化の流れが先に紹介した音楽や動画よりもやや遅めではあるものの、しかし着実と無料コンテンツが増えてきている。

無料化の走りを牽引したのは、「ワンパンマン」を代表とする個人作成によるWeb漫画サイトだろうか。

そこから、漫画をインターネット上で読むことに需要を見いだした出版社が力を入れはじめ、「裏サンデー」や「となりのヤングジャンプ」「少年ジャンプ+」などの企業運営による、高クオリティな漫画の無料配信がされるようになった。

そのほか、個人の漫画家ベースでも、「ブラックジャックによろしく」の著者・佐藤秀峰氏や、「ラブひな」「魔法先生ネギま!」などの著者である赤松健氏などが、自著を無料で公開している。

ゲーム

ゲームの無料化が促進されたのは、スマートフォンの普及が進んでからだ。そのスマートフォンは今はもう高齢層をのぞいて、ほとんどの人が持っているくらいに広く浸透している。

無料でできるゲームの代表と言えば、いわゆるソーシャルゲーム。通称ソシャゲーと呼ばれており、多くの場合で基本無料でのプレイが可能だ。

では提供元はどうやって飯を食っているかと言うと、ゲーム内でより早く強くなるための要素や、レア武器などを得るための手段としてのゲーム内課金で主に収益を得ている。また、ゲーム内に張られた広告による収益もあるだろう。

 

そのほか、あらゆる娯楽の無料化が進んだことによって、スマートフォンでできるソシャゲー以外のフリーゲーム……主にパソコンでできる、個人作成のゲームも高品質なものが増えてきた。

ここ最近話題になったもので言えば、「片道勇者」や「青鬼」、ほかにもちょっと前に話題となったもので言えば「魔女の家」、「タオルケットをもう一度」などがある。
私も今挙げたうちの二作をプレイしたことがあるが、無料とは思えないほどに高品質であった。

 

ゲーム業界はUnityなどの開発環境システム自体の高品質化によって、素人でも比較的高品質なものが手軽に作れるようになった。

今ゲーム業界でアツい波のきているVR(ヴァーチャルリアリティ)でも、SteamなどのVRコミュニティを覗いてみると特にプロでもないような人が個人で制作していたりする姿が見られる。有名どころで言うと、「四の連鎖」や「Mocu Mocu Dance」などがそうだろうか。

所感だが、今後もますます期待できる業界である。
なので私もVR機持ってます。去年HTC Vive買いました。

小説

無料で読める小説コンテンツを排出している二大メディアといえば、比較的若者向けの「小説家になろう!」と、著作権の切れた過去の名作を公開している「青空文庫」だろう。

特に小説家になろうについては、数年前にあったライトノベル最盛期時代のビッグウェーブにうまく乗れ、そして今や逆に売れている小説の大半は出版社主催の賞の受賞作ではなく、この「小説家になろう」発祥の作品となるほどになっている。

最近は若干下火になってきたような気がしないでもないものの、この業界まだまだ市場の拡大は続いている。出版業界は不況なのに……!!

それとクソどうでもいい話しだが、私もラノベの出版は密かにねらっている。ねえ、出版社さんみてるーー? ねーーえーーー!!!!
[adsense]

コミュニケーションツール

娯楽。とは、なにも娯楽を目的としたコンテンツに限らない。友達や、世界のどこかにいる誰かとのコミュニケーションもまた、楽しむことのできる要素の一つであろう。

こちらに関してはスマートフォンが主に牽引し、中でも「Line」といった無料で通話もチャットもできるアプリケーションソフトウェアが一世を風靡した。個人的には「Skype」派であるが……。

 

また、先に述べたVRゲーム業界でもコミュニケーションを主目的としたソフトも増えており、そして無料での提供がされている。

私もVRゲームプレイヤーなので一つおすすめソフトを挙げると、「Rec Room」が無料で遊べるわりにその辺の有料ゲームよりも遙かに高品質なのでぜひともみなさんにも遊んでいただきたい。

特に、最近追加されたコンテンツに皆でわいわい協力プレイできるアクションRPGが追加されており、これがまためちゃくちゃおもしろい。

敵に負けてしまっても生き残っている味方にハイタッチしてもらうことで復帰できるゲームシステムも、あくまで他プレイヤーとコミュニケーションを取るための手段が主目的であるという軸がブレずにうまくゲーム性とマッチングしている。

また、比較的シンプルかつおもしろくなるような設計となっているため、外国人との協力プレイも中学生レベルの英語能力があれば全く問題なく可能である。うわっ、私の英語力、低すぎ……?

クリエイティング

プライベートにおいても、仕事においても欠かすことのできなくなった万能ツール、パソコン・スマートフォン。

パソコンかスマートフォンさえあれば、作曲もお絵かきもブログを書くことも仕事をすることも何かを調べることも、そのいずれもが特にお金をかける必要なく可能である。

もちろん、今までに挙げた音楽・動画・漫画・ゲーム・小説・コミュニケーションといった楽しみ方もパソコン一つさえあれば可能だ。

 

だが、今まで挙げたのは基本的に誰かが作ったコンテンツを”消費する”方向での楽しみ方だった。

しかしながら、無料でできるのはなにも消費するだけじゃない。自らの手で作品を創り出すような楽しみ方もまた、お金をかけずにできるのだ。

 

そしてそして!
パソコンとスマートフォンの普及、そしてインターネット回線の高速化に伴い、素人の制作物が容易に拡散・周知されるようになった。

そうなると、なにが起こるだろう?
――それは、身も蓋もない言い方をすると「お金が稼げる」こと。

 

芸能人じゃなくても、自分で撮った動画を投稿しお金を稼ぐ人→ユーチューバー
ブログを書きそのブログの中に広告を貼ることでお金を稼ぐ人→プロブロガー

のように、新たな職業も現れだした。

また既存の職業に対しても、個人が発信したものが簡単に人々の目に触れるようになり、そこからのプロデビューの道も新たに舗装されることとなった。

 

例を挙げると、「小説家になろう」をきっかけにプロの作家としてデビューをした人などが挙げられる。そのほかで言うと動画投稿サイトに「作曲してみた」動画を投稿して、そこからプロになった人も目立つ。

それぞれのブームの流れで言うと、

「ニコニコ動画」ブーム

そこからサブカルチャーブームにどんどんと飛び火して、

アニメ業界にてアニメブーム(「涼宮ハルヒ」シリーズが発端だろうか?)

音楽業界にて「ニコニコ動画」や「ボーカロイド」ブーム

出版業界にてライトノベル及び「小説家になろう」ブーム

ほぼ同時期に「YouTube」ブーム、

そして今は「ブログ」ブームだろうか。

 

おっと、どこかのタイミングでグリーやモバゲーを中心としたソシャゲーブームもあった。

ちなみにVRゲームはまだまだスタートアップ段階で、ブームはきていない。映画も「君の名は」がブームとなっただけで映画というカルチャー自体のブームではないだろう。ある作品単体がブームになることはどの業界でもあることだ。

 

それと個人的には、今はそれぞれ下火となっているとはいえ、「ニコニコ動画」のドワンゴ社と「ライトノベル業界」の長であるKADOKAWA社が合併統合したのはかなり攻めてきているなと感じた。今のところ、外からではあんまり動きは見られないけれど。

 

無料ではないけれど、格安で楽しめる娯楽について

さて、
では次に無料でこそないものの、ほとんどただに近いような料金で楽しめるサービスを紹介しよう。

格安定額見放題サービス

U-NEXTDMM見放題chライトdTVhuluなどの月額500円程度の格安料金で、商業クオリティの高品質な映像作品が見放題なサービスが次々とリリースされている。

特に皆もおなじみ、ネット通販業界最大手のアマゾン社の提供する「アマゾンプライム」は、映画やドラマやアニメも見放題のほか、音楽だって聴き放題、そして買った物がすぐ届き送料もかからない、というおそるべきサービス内容となっている。しかも月額325円。狂ってる? それ、誉め言葉ね。

 

ところで最近私は整体に通っているのだが、そこでかかっているBGMの選曲センスがあまりにもよかったため「これ有線ですか??」と訊いてしまったことがある。すると、返ってきた答えはアマゾンプライムであった。

どうやら、自分で能動的に聴きにいくほかにもラジオのように自動で曲を配信してくれる機能もあるらしい。

プライベートでの視聴だけでなく、この整体院のようにお店で流すBGM用に契約するのもありだし、私のようなフリーランスの作業用BGMにも使えるだろう。アマゾンは頭おかしい(良い意味で)。

カラオケ

地域や店舗によって価格が異なるものの、かなり安い相場で楽しめるサービスがカラオケである。

ちなみにうちの近くだと、フリータイムならだいたい8~10時間くらい楽しめて700円くらいだ。
もちろんドリンクは飲み放題である。土日と祝日はやや高くなるが、それでも1000円は越えない。もはや利益が出ているのか謎すぎる業態である。

ところで若干話しがそれるが、カラオケの価格は地域によって結構な差があるようだ。北海道に住んでいる友人にうちの近くの相場を言ったところ、「こっちではありえないくらい安い」とのこと。

とはいえ、それでも全体的に安めの相場であることには変わりない。

あらゆる娯楽で、価格破壊が起こった近年

上に挙げた以外でも、娯楽にかかる費用は大きく下がった。

たとえば、値段そのものでいえば「安い」とは言えないものの、LCCなどの格安旅客機・及び運営会社の登場により、海外旅行・国内旅行問わずかかる費用は格段に減った。安い日を狙えば、東京(成田空港) から 台北まで1万円くらいでいけるという。

 

このように、我々の生きているこの時代というのは、楽しむのにお金がそこまで必要なくなった。なんなら、一切お金をかけずに一生を楽しむことだってできる。そして若者はもう、そのことを知っている。

若者は知っているから、お金がかかってしかもつまらないゲームセンターなんかは、今や老人ばかりが闊歩する場所と成り果てた。

生きることも、楽しむことも、お金をそんなに必要としなくなった今。この時代。

必死になってあくせくと働く必要性は、はたしてあるのだろうか?

今一度、その問いかけをしてみよう。ほかならぬ、自分自身に。

 


姉妹記事:『生きていくのにお金が必要ない時代へ。下がりゆく生活費用・コスト』

子記事:なぜ、理想の働き方・生き方は「ちょっと働く いっぱい遊ぶ」なのか?