先日より世間を賑わせている話題の目、台風。
――であるが、この台風に伴う会社の配慮のしかたで、あなたの勤めている会社がどれだけあなたのことを大切にしているかどうかが白日の下に晒されることとなる。
そう、まるで台風が通過したことで、それまで覆い隠していた雲が取り払われるかのように!(あんまりうまくないゾ;)
台風が直撃する日、
たとえばある会社では、臨時休業となったり。
しかしある会社では、まるで関係なく通常通り業務を行っていたり。
はたまたその間として、台風による影響に合わせて午前休や電車の遅れによる遅刻の容認、有給休暇の取得促進、あるいは業務途中での帰宅指示などもあるだろう。
こういった会社側の対応、安全への配慮から、その会社の本質を垣間見ることができるのだ。
「遅れないように早めに家を出ろよ!」や「前日から泊まり込みで会社にいろ!」などの指示が飛んだ場合はさすがに今すぐ退職届けを投げつけた方が良いレベルで人間扱いされていないが、問題は通常通りの業務を行うところ。
ここもまた、結局のところいっさいの配慮をしていないのが事実だ。
表面化していないだけで、あなたの安全なんざなんとも思っていないのが会社側の本心である。
さて、感情論を述べても仕方がないので、ここからは会社側の負う法的義務と責任、労災問題などを絡めて解説していこう。
目次
台風で仕事は休みになるか? が、法律ではどうなるか。
警報が出た! 会社を休業する法的義務はないの?
警報が出た場合に、出勤を義務づけてはならないとする法律や、はたまたそれに準ずる公的な決まり事はないのだろうか。
――残念ながら、これは存在しない。
よって、台風の日に出勤を義務づけたからといって、それがただちに違法となるわけではないのが実情である。
……しかし!
安全配慮義務違反・労災認定の対象になる
もしも従業員が被災した場合、安全配慮義務違反および労災認定となる。
特に、警報が出ているように客観的に見ても安全への配慮が必要とされる場合に死亡事故などが起こった場合。もしくは死亡までいかなくとも、大きな事故に遭ってしまった場合。請求される損害賠償は多額となるだろう。
加えて盲点となりがちだが、この手の話題はトレンドとなりやすい。
「台風の影響で被災者が出た」なら単なるよくあるニュースだが、「台風の中でも果敢に出社する社畜が、出社中に被災した」という属性となるだけでとたんにキャッチーな話題となる。
休業となった場合や時短勤務となった場合、給料は出るの?
台風にかかわらず自然災害が原因で休業にする場合、あるいは勤務時間を短縮する場合。その原因は会社側にはないため、その分の給料を支払わなくても法的に問題はない。
そのため、「従業員の安全には配慮したいが、利益の少ないうちにはそんな余裕はないゾ……」とお困りの経営者にも心配はいらない。
一方。従業員側は、休業になったことで給料が減ってしまうのは我慢しよう。恨む対象は台風である。
台風なのに会社から何もアナウンスがない! どうする?
有事の際には会社からのアナウンスがあるべきであるが、こちらもなかったからといって違法になるわけではない。
基本的な動き方としては、『上司へ判断を仰ぐ』『就業規則に従う』が正解であり、自分の独断で休みにするのは不正解となる。
(ただし有給休暇の取得を除く)
事情が事情だけに有給休暇も取得しやすいため(いやほんとは有給休暇取るのにたいそうな事情も要らないんだけど)、個人的にはこういった日にこそ有給を取得することをオススメしたい。
あなたの会社の対応はどうだった? 優良企業・ブラック企業の目安
有事の際の対応の仕方から会社のレベルを推し量ることができる。
冒頭でも述べたように、台風の日でも従業員の安全を配慮せず、むしろ台風だからって甘えんじゃねえぞと言わんばかりに頑なな定時出社を求めるところは転職を考えた方がいいだろう。それも速やかに、だ。
そのほか、アナウンスがなかったり遅かったりするようなところは、安全配慮とは別のところで単純に会社としてのレベルが低い。
台風の到来という、事前に予測できる災害に対して後手に回っている(もしくは手を打つ気がない)のでは、その会社の将来が心配だ。今すぐに転職――とまでは言わないまでも、これから先のことを考えても良いだろう。