勤め先で直属の上司の顔色を伺っている人は多いことでしょう。
昇進やボーナス査定に響くからといった理由でそうしている方もいるかもしれませんが、
このような考え方は、年功序列体質を維持した大企業で安定志向のもとで働いていく際に意識すべきことです。
中小・零細企業であれば、自分自身のキャリア形成のために上司の顔色を気にすることは却って損ですので、先々を考えたうえで自分の仕事への取り組み方を見直していく必要があるといえます。
確かに、直属の上司のご機嫌を取ることは自分のためになると考えてしまうのは仕方のないことかもしれません。
けれどそれはあくまで居心地の良さを求めている行為に他ならず、決して社内での評価にはつながらないことを認識してください。
…………と、言われても、その理由がわからないと納得できないですよね。
それでは以下に、
「なぜ直属の上司の顔色を伺っていても評価につながらないか」と、
そして、
「では、評価されるにはどのようにすれば良いか」を、経営者である私の目線から併せて解説していきましょう。
本日の記事は、
『経営者が営業マンを雇う際に気をつけるべきこと、その注意点』
『【馬鹿と接する処世術】社会に巣くう低脳との付き合い方とは?』
『会社のお金を横領・着服した従業員の手口と、犯罪がバレるまでの経緯』
を執筆した、PHIROS様の提供でお送りします。
目次
社内で評価されるのに必要なこと、社外でも成功する秘訣
小規模な会社では、目立たない=存在価値がない
企業規模が小さくなればなるほど中で働く人間も少なくなるため、従業員一人ひとりの存在感が強くなっていきます。
大企業ならば経営者が全社員を把握していることはまずありえませんが、小規模な会社であれば風通しも良く、中で働く人間全員を把握していることも珍しくありません。
そしてそのような環境下では、直属の上司の顔色を伺うことで自分自身の存在感を薄めてしまうのは致命的です。
なぜならば従業員それぞれに目の届く経営者に「あ、この人はいてもいなくても特に変わらないな」と評価されてしまうからです。
経営者は孤独なものです。
すべての責任を自分が負わなければなりませんし、従業員それぞれの生活についても考えていかなければなりません。
普段は偉そうにしている経営者といえど、万が一の場合には従業員から見放される立場に他ならないのですから、虚しささえ感じてしまうことだってあります。
よく、“右腕”という表現を見聞きすることかと思いますが、経営者は心の底から“右腕”を求めているのは事実です。中小零細であれば尚更でしょう。
世間からいくらワンマンと揶揄されようが、数々の不安要素について明日は我が身と捉えているものですので、誰かに相談したいことが山のようにあってもなかなかそのような相手と巡り合うことさえできません。
経営者レベルでのお付き合い相手にもそのような話しは一切しないものです。
どれだけ相談したくても、自分への信用を失ってしまうような気がして切り出せないのです。
このような経営者の本音について目を通したうえでもう一度考えてみてください。
もし、あなたが同じ立場であれば、自分にゴマばかりをすってくるような相手についてどのように思うでしょうか。
“また、こんなのか……”といったイメージに尽きることでしょう。
中小・零細企業の経営者が真に期待していること
それでは逆に、どのようにすれば会社から評価されるかを経営者目線でお答えします。
中小・零細の経営者が人材を雇い入れた場合、そこには閉塞感を打破してくれるかもしれないという期待が込められている場合がほとんどです。
中小・零細では求人応募者が選考プロセスを通過してきた場合、代表者が直接会うケースが多いものですが、よほどの単純作業でない限り、何かしらの新鮮な風をこれまでの風土に取り込んでくれることを期待しています。
つまり、期待に応えるためには(=社内で評価されるには)何かしらのアウトプットを積極的にしていく必要があります。
これを繰り返していくことで経営者からの評価が上がっていき、自然と右腕候補となっていくわけです。
たとえ中途採用であったとしても、新入社員となったあなたは誰が意思決定者なのかを意識していくことで出世への近道を進むことができるわけです。
経営者の顔がいつでも見ることのできる小さな会社であれば、頼りとされる日を迎えることのできるチャンスが目の前にあります。
提案を邪魔する人たちと、妨害された実体験
自分の能力をアウトプットしていこうとした際に障壁となるのは、直属の上司をはじめとする職場の身近な人間たちです。
会社にとってプラスとなるアウトプットを次々と提案されれば、将来の自分の立ち位置に不安を覚えてしまうからでしょう。
酷い場合には意見を抑圧するどころか、生意気であることを理由に疎外感を与えてきたりします。
私は以前、地元の中小で働いていたことがありますが、私のアウトプットは直属の上司に徹底して抑え込まれました。
厳密にいえば、直属の上司連中から、企画書には目さえ通さない、発言の機会を与えないよう会議へ参加させない、など姑息な手段を講じられていたものです。
彼らは定年まで働ければそれでいいという価値観を持っているため、変革や変革を促す人間をとにかく忌み嫌っていたのです。
もちろん私は辞めることにしたのですが、そのままフェードアウトするのも負けたような気分になるため、上司連中がないがしろにした企画書を取りまとめて社長の自宅へと郵送しました。
後日、社長より引き留めの連絡を受けましたが、丁重にお断りさせていただきました。
しかし、このことがきっかけに自身も経営者へ
上記の一連の流れがあったからこそ、私の目の前に起業の道筋が開けたのです。
きっかけは、退職後に社長から連絡が入ったこと。
会社からの連絡には一切応じなかったので、困った社長が直々に連絡してきたのが始まりです。
そこで受ける内容に、私は真摯に受け答えしていただけなのですが、必要に応じて私から補足説明としてアウトプットの電話を入れることもありました。
こういったことを繰り返しているうちに人間関係が形成されていき、社長が抱えている他のビジネス案件などについても雑談として話してもらえるようになり、その案件に絡んでいくことで社長の人脈上にある方々をご紹介いただくなど、私にとって起業するための土壌を形成していくこととなったのです。
ある日、社長に“なぜ私に良くしてくれるのか”と聞いてみたところ、「おもしろいから」とのお答えを頂戴しました。
すごく抽象的な言葉ですが、自分自身が経営者となった今日より振り返れば、最高の褒め言葉であったことに気づかされます。
これが唯一の成功モデルだとは言わない。けれど、知ってほしいことがある
決して、皆さまに私のようになりましょう、などと言うつもりはありませんし、まだまだ未熟である私は立派な人間でもありません。
ただ、アウトプットしていくことで、そのときの自分が思いもしなかったメリットを得ることができる可能性が出てくることを知って欲しいと思います。
もしも私が、上司の顔色ばかりを気にしながら、アウトプットすることなく平々凡々に過ごしていたならば、その後の展開はきっとなかったでしょう。
大成功している――とは言わないまでも、少なくとも私がなにもアウトプットしていなければ、どこにでもいる有象無象の人間のままだったと思います。
商機を掴むために、商機を活かすために、相互に利益を求めるために大先輩となる経営者さんたちへ気軽にコンタクトを取れるのは最大のメリットです。
人脈はお金では買えませんし、時間が手に持たせてくれるものでもありません。彼らは時間にシビアであり、普通に接触しようとしてもあまり時間を割いてくれませんので、信用を得るためには機会が必要です。
確かに、アウトプットし続けるスタイルは反感を買うこともありますが、どうせそこで対立する方々はつまらない人間ばかりと思っても差し支えないでしょう。
徹底してアウトプットしていくことにより、“ここにおもしろい人間がいるぞ!”とPRしていくことで自身のブランド化へとつながり、社会とのつながりが強化されていくものです。
職場に窮屈さや閉塞感を感じているようであれば、もっと積極的にアウトプットしていくよう心がけてみてください。
また、今の会社にどうしても希望を見いだせないのであれば、いっそのこと環境そのものを変えてしまうのも一つの手です。大手転職サイトのリクナビNEXT